医療人がタメ口を使う理由とは?

薬剤師歴も4〜5年経て思うこととして
医療従事者が患者さんに対して敬語ではなく
タメ口で話をしているところを目にします
ではなぜ医療従事者はタメ口使ってしまうのか?
真剣に考えた結果
医療人は病院に来る人に対して
顧客ではなく 患者 と呼ぶから
と考えます
医師や薬剤師などの医療従事者の給与が
確保されてこそ業界は成立する
お金をもらって人助けかという嫌な感覚はわからんでもないが
結局患者が病院薬局でお金を払ってくれるからこそ
我々のお賃金がもらえてるという点を考えれば
ある意味「顧客」という要素がないとも言い切れないです。
医療従事者が患者に対して敬語が無難な理由

実際たまに患者さんにタメ口を使う薬剤師に出会うんですよね。
おそらく患者との距離を縮め、
なんでも話せる雰囲気を出そうとしているんだろうなと思う。
それと田舎であればあるほど
そもそも人と人との距離感は近いことから
タメ口を使うという雰囲気があるのも事実。
ただ
- 認知機能低下
- 高次脳機能障害
- かなり難聴な方
には単語単語で言わなければ伝わらないケースは仕方ないですが、
しかし
患者にはタメ口をOKな人と嫌がる人の2種類が存在する

ぶっちゃけ患者にもスタッフにも敬語が無難だと個人的に思う
理由は2つ
①タメ口は嫌いでも敬語が嫌いなんて人はあまり見たことがないから
②敬語で話したのが理由でクレームをくることはまずないから

医療はサービス業じゃないと言ってる方も存在しますが
たしかに医療って病気の人を助けるというのが第一目標であるわけで
サービス業じゃない奉仕!医業だ!
って言うのもわからんでもないが、
冷静に考えるとサービス業じゃない
と言ってしまうという事は
とどのつまり
人ではなく病気しか見てないと言っているようなもの
だから私が思うに
サービス業ではないって言うのは半分間違いで
半分はサービス業(接客)でもあり半分は人助け。
タメ口を良しとする業界は?
今の医療コミュニケーションの現状を考え、
心構えとしては下から下からでちょうどいいくらいと思う。
半分は接客業だからだ。
まあ確かにタメ口を良しとする業界もありますよ。
そのあたりではないかと個人的には思います。
しかし病院って高齢者相手が多く
何故だかタメ口でもいい雰囲気があります。
スナックのママも医療従事者どちらもタメ口接客をしている形になってます。
本質を考えてみましょう
スナックのママ
スナックのママは仲良くなるのが仕事です。
なのでむしろ積極的にタメ口接客した方がいい場合も多々あります。
スナックや居酒屋やテーマパークに行く目的って楽しむためなんですよね。
一方、病院や薬局はどうか
楽しむ目的で来てる人なんてほぼ居ない、
どちらかと言えば負のオーラで来院してきます。
中には真剣に病気に向き合い悩み、病気を治したいというのが本心です

さてこれを見てあなたはタメ口接客できますか?
こう考えると本質を見極める大事さがわかるのではないでしょうか?
タメ口接客で不快になる職業は?

同じタメ口接客でも不快になる職
いわゆる先生って呼ばれるようなお仕事の人たち
教師や医師と言った素人に教える職って
職業柄上から目線にも見える事があるんです。
意図せずとも。
そう言った背景も加味すれば
医師、薬剤師、教師という
先生と呼ばれる職種ほど
言葉遣いには注意が必要
個人的に自分ごときが先生と呼ばれるのは申し訳ない気がしてます
患者との距離感を完璧に掴める超有能ならタメ口でもいいだろうが、
顧客
患者
この際、呼び名はどうでもいいが
しっかりと感謝の意を持って対応すべきだと思った。
私が実践している投薬のコツ
ここからは実際の現役薬剤師が
患者対応で使える接客テクを紹介します
1 気持ちの良い挨拶は大事

シンプル is ベスト!!
接客の基本は挨拶。
つまり初頭効果です
患者をお呼びしての顔合わせでは絶対に笑顔で挨拶します。
ファーストインプレッションはとても重要。
こちらもご参照ください

2 話し方を真似る
心理学的にはミラーリングと呼ばれる手法
同じ動作や言動を真似をすることで
信頼(ラポール形成)を得ることが可能。
私は声のトーンや話すスピード、タイミングなどを伺うために
最初に挨拶と天気の話をする事がある。
天気の話はとても使えます。
天気の話が嫌いな人はあまりいないし話題のとっかかりになりやすい。

だいぶ冷えてきましたね。もう冬ですね。
こういうと意外と何かしら話してくれる
そこに声のトーンやタイミングを合わせていき、
すかさず流れで

寒くなって血圧上がってないですか?と聞くと
割とすんなり教えてくれる確率が高い。
おそらく最初の段階で雑談した分
ラポール形成が少しできているから。

いきなり血圧はどうですか?
よりも気持ちよく答えてくれるだろう。
3 誤前提暗示
心理学では、「誤前提暗示」と言います。
2つの選択肢の中から答えを選ばせることで
両方とも断るという発想に至らないこと
一般的に
血圧はいかがでしたか?
と聞かれれば
自由回答のように選択肢が無限にできる
- 良かった
- 悪かった
- そもそも答える義務はない
- よくわからない
- etc…..
など患者側には発言の自由が適応されます
そこでこの心理学を応用しましょう
本来は様々な先程あげたように無限に選択肢があるにも関わらず
AとBのどちら?
というように質問をされるとつい答えてしまいます。
具体的に言えば

血圧は上がりましたか?下がりましたか?
(上がりましたか?でも可。選択肢を準備してあげた時点で「はい」か「いいえ」かを言いたくなります)
具体的な数値を聞きたい場合は、

140超えてますか?
と聞くと経験上「はい」か「いいえ」だけではなく
数値も言ってくれる可能性が高い。
人は自分をよく見られたいものです。
もし140超えていないのに超えてると言うと薬飲んでますか?
とか聞かれるのではないだろうかという心理も働くので
実際の数値を答えてくれやすくなるし、
否定される、勘違いされる(実際安定なのに高いと思われるのが癪)と
否定し返したくなるのが人間
ほぼ教えてくれます。
まあ1.2をやった上で質問してる分確率は上がっているのだと思う。
少し賛否両論ありそうな話をしましたが、
すみません、薬剤師も薬歴を書かないといけないんです。
あと数値書いてなかったらパイセン薬剤師に怒られちゃうんですよ

優しい目で見てやってください!
もちろん薬学的にも数値を把握することの重要性も高いですので
ぜひお近くの薬剤師には

うるさい、なんで2回も言わなあかんの?
と言わずに優しく教えてあげてください!

今後の薬剤師業界で生き残る人はどんな人か
そして薬剤師も
これからの薬剤師過剰時代突入、調剤報酬引き下げの影響で
薬局側や病院側が欲しい人材は
- 博識で能力の高い方
- 勉強熱心な方
- 対人業務が得意な方
が生き残っていく時代がいずれくると思います。
物や技術は進歩していく中、人間にしかできない接客、
コミュニケーション能力は確実に求められます。
医療人、薬剤師こそ必要な能力だと思う。
これからも心理学や接客術を学び
日々、情報のアップデートを続けたいと思います。
(心理学は単純に楽しいですよね)
